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相続登記をせず売却できる?|足利市、佐野市の司法書士事務所

  • 執筆者の写真: 亀山英明
    亀山英明
  • 8月8日
  • 読了時間: 4分

「相続登記をしていない不動産は売却できるのか?」という疑問は非常に多く、実務でも頻繁に相談を受けるテーマです。結論から言うと、相続登記を放置したままでは原則として売却はできません。しかし、なぜできないのか、どうすれば売却できるのか、具体的に理解している方は少ないのが現状です。本記事では、相続登記未了の不動産が売却できない理由から、放置した場合のリスク、売却するための具体的な手順まで、実務レベルで詳しく解説します。



結論:相続登記をしないと売却できない

不動産を売却するためには、売主が登記名義人である必要があります。つまり、名義が亡くなった方のままで、相続人へ名義変更(相続登記)していない場合、この状態では、法律上その不動産を処分する権限がないと扱われるため、売買契約や所有権移転登記ができません。



なぜ相続登記をしないと売却できないのか

登記名義人しか売主になれない

不動産の所有者は「登記簿」で判断されます。たとえ実際には相続人が住んでいても、名義が被相続人のままでは第三者に対して所有権を主張できません。


買主側・金融機関が認めない

相続登記が未了だと、所有者が確定していない、将来的に権利争いが起きる可能性があると判断され、買主や銀行が取引を拒否します。


司法書士が登記を受けられない

売買に伴う登記は司法書士が行いますが、前提として「売主=登記名義人」である必要があります。相続登記を飛ばして売買による所有権移転登記をすることはできません。



例外はある?相続登記なしで売却できるケース

結論から言うと、完全に相続登記を省略して売却することはできません。ただし、実務上、連件申請が可能ですので、相続登記と売買による所有権移転登記を同時に申請することはできます。つまり、一度相続人名義にしてすぐに買主へ移転するという流れを一括で行うイメージです(関連記事:相続登記のお見積書)



相続登記を放置するリスク

時間が経つと、相続人が亡くなり、さらに次の相続が発生する。結果として、権利関係がネズミ算式に増えていきます。いわゆる数次相続の事例です。また、相続人が増えると、意見が合わなかったり、連絡が取れない、行方不明者がいるなどにより、遺産分割協議が成立しないリスクが高まります。そして、名義が曖昧な不動産は売却不可、担保設定不可、有効活用困難となり、資産価値が実質的に止まります。加えて、利用できないにもかかわらず、固定資産税や管理費だけがかかり続けるケースも多いです。相続登記の義務化によるペナルティもあるでしょう。2024年4月から、相続登記は義務化され、相続を知ってから3年以内に登記が必要となり、正当な理由なく放置すると過料(最大10万円)の対象となります。今後は「放置」がリスクではなく、違反行為となります。



売却するための正しい手続き

相続人の確定(戸籍収集)

まずは、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍を収集し、誰が相続人か確定します。


遺産分割協議

不動産を誰が取得するかを決めます。売却前提の場合には、代表者1人にまとめるケースが多いです。その後、

遺産分割協議書を作成します。


相続登記の申請

法務局へ申請し、名義を変更します。


売買契約・決済

相続人名義になった後、通常どおり売却手続きを行います。実務では「相続登記+売却登記」を同時に進めることが多いです。



よくある質問

Q. 相続人全員でそのまま売却できない?

可能ですが、全員が売主として契約し、全員の本人確認・署名押印が必要となり、非常に煩雑です。

Q. 相続登記を自分でやれば安くなる?

可能ですが、戸籍収集が大変ですし、書類作成が複雑ミスすると売却が遅れるため、売却予定がある場合は専門家に依頼する方が安全です。

Q. 相続放棄した人がいる場合は?

相続放棄した人は最初から相続人ではない扱いになるため、残りの相続人で手続きを進めます。



相続登記を早めに行うべき理由

相続登記は後回しにされがちですが、実際には売却のタイミングを逃さない、相続人トラブルを防ぐ、手続きコストを最小化するという意味で、早くやるほどメリットが大きい手続きです(関連記事:相続手続きの期限)



まとめ

相続登記を放置したままでは、不動産の売却は原則できません。売却するには、必ず相続人へ名義変更(相続登記)を行う必要があります。放置すると相続人の増加やトラブル、過料のリスクもあるため、早めに手続きを進めることが重要です。売却を検討している場合は、相続登記と売却手続きを同時に進めることでスムーズに対応できます。

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