自筆証書遺言と公正証書遺言の違い|足利市、佐野市の司法書士事務所
- 亀山英明

- 6月13日
- 読了時間: 5分
遺言書を作成しようと考えたとき、多くの方が悩むのが「自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選べばよいのか」という点です。遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的に利用されるのは自筆証書遺言または、公正証書遺言になります。どちらも法律上有効な遺言書ですが、作成方法・費用・安全性・相続手続きのしやすさなどに大きな違いがあります。
この記事では、自筆証書遺言と公正証書遺言の違い、メリット・デメリット、どちらを選ぶべきかについて解説します。
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言とは、遺言者本人が手書きで作成する遺言書のことです。民法で定められた方式に従って作成すれば、特別な手続きがなくても有効な遺言書になります。自筆証書遺言は「遺言全文を本人が自筆で書く」「日付を書く」「氏名を書く」「押印する」必要があります。これらの要件が満たされていない場合、遺言書が無効になる可能性があります。なお、財産目録のみパソコン作成が可能になっています。
公正証書遺言とは
公正証書遺言とは、公証人が作成する遺言書のことです。公証役場で作成され、内容は公証人が法律に基づいて整理します。作成の際には、証人2人と公証人が立ち会う必要があります。完成した遺言書は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません(関連記事:公正証書遺言の費用と作成の流れ)。
自筆証書遺言と公正証書遺言の大きな違い
自筆証書遺言と公正証書遺言には、いくつかの大きな違いがあります。
作成方法の違い
自筆証書遺言は自分で手書きして作成する必要がありますが、公正証書遺言は公証人が作成します。
費用の違い
自筆証書遺言は基本的に費用はかからないが(法務局で保管する場合には費用がかかる)、公正証書遺言の場合は、公証役場の手数料が必要。公正証書遺言の費用は、財産の金額によって変わりますが、一般的には数万円〜10万円程度になることが多いです。
安全性の違い
自筆証書遺言は、紛失や改ざん、書き方ミスのリスクがあります。一方、公正証書遺言は、公証役場で保管され法律専門家が作成しますので、方式不備がないため非常に安全性が高い遺言書です。
相続手続きの違い(検認)
自筆証書遺言の場合、原則として家庭裁判所の検認が必要になります(法務局で保管している場合不要)。検認とは、遺言書の内容を確認するための手続きです。この手続きには1〜2か月程度かかることがあります。一方、公正証書遺言は検認が不要のため、すぐに相続手続きを進めることができます。
自筆証書遺言のメリット
自筆証書遺言の主なメリットとして、費用がかからない(紙とペンがあれば作成できるため、費用がほとんどかかりません)、いつでも作成できる(公証役場に行く必要がないため、思い立ったときに作成できます)、内容を秘密にできる(自分だけで作成できるため、遺言内容を誰にも知られずに作ることが可能です)という点が挙げられます。
自筆証書遺言のデメリット
一方で、自筆証書遺言の注意点として、無効になるリスク(方式を守らないと遺言書が無効になる可能性があります)や、紛失のリスク(自宅保管の場合、紛失や誤って処分される可能性があります)があります。また、相続トラブルの原因になることがありますし、内容が不明確な場合、相続人同士の争いにつながるケースもあります。
公正証書遺言のメリット
公正証書遺言は、現在もっとも利用されている遺言書の形式です。法的に確実(公証人が作成するため、方式不備で無効になることはほぼありません)ですし、紛失の心配もありません。公証役場で保管されるため、遺言書がなくなることはありません。また、検認が不要ですので、相続開始後、すぐに相続登記や預金解約などの手続きが可能です。
公正証書遺言のデメリット
公証役場の手数料が必要になりますし、作成時には証人2人が必要になります。通常は、司法書士や事務所スタッフなどが証人になるケースが多いです。
最近増えている「遺言書トラブル」
書き方が間違っていて無効になったり、財産の記載が不十分、相続人が特定できない、遺留分トラブルなど。特に自筆証書遺言は、書き方ミスによるトラブルが非常に多いのが実情です。
どちらの遺言書を選ぶべき?
一般的には次のように考えるとよいとされています。
自筆証書遺言が向いている人
費用をかけたくない
財産がシンプル
相続人が少ない
公正証書遺言が向いている人
確実に遺言を残したい
不動産がある
相続トラブルを防ぎたい
再婚家庭など相続関係が複雑
このような場合は、公正証書遺言を選ぶ方が安心です。
司法書士に相談するメリット
遺言書を作成する際に司法書士へ相談すると、遺言内容のアドバイスや相続トラブルの予防、公正証書遺言の作成サポート、不動産の相続対策などをトータルでサポートすることができます。特に不動産を所有している場合、遺言書の内容によっては相続登記が複雑になるケースもあります。そのため、遺言書作成の段階から専門家へ相談することが重要です(関連記事:相続関係の費用)。
まとめ|確実な遺言なら公正証書遺言がおすすめ
自筆証書遺言と公正証書遺言には、それぞれ特徴があります。自筆証書遺言であれば、費用がかからない、手軽に作成できる、方式不備のリスクがあるという点。また、公正証書遺言の場合には、費用がかかる、法的に確実、紛失や無効の心配がない。相続トラブルを防ぎ、確実に遺言を残したい場合は、公正証書遺言の作成を検討することをおすすめします。遺言書の作成や相続対策でお悩みの方は、司法書士へお気軽にご相談ください。



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