遺言があってもトラブルになる?|足利市、佐野市の司法書士事務所
- 亀山英明

- 5月9日
- 読了時間: 4分
「遺言書があれば相続争いは起きない」と思われがちですが、実際には遺言書があっても相続トラブルになるケースは少なくありません。相続の現場では、遺言書が原因となって相続人同士の対立や遺留分請求、遺言書の無効争いなどの問題が発生することがあります。
この記事では、遺言書があっても相続トラブルになる理由やよくあるトラブル事例、トラブルを防ぐ遺言書の作り方について、詳しく解説します。
遺言書があれば必ず相続争いは防げる?
遺言書は、相続人同士の争いを防ぐための重要な手段です。しかし、次のような理由により遺言書があっても相続トラブルが起こることがあります。
相続内容が不公平
遺留分の問題
遺言書の形式不備
相続人の感情的対立
遺言書の存在を知らなかった
そのため、遺言書を作れば必ず安心というわけではありません。
相続トラブルの例
相続の現場では、次のようなトラブルが生じます。
不公平な内容によるトラブル
例えば「長男にすべての不動産を相続させる」という遺言をした場合、他の子には何も残さない可能性が生じますので、他の相続人が納得できないケースが多くあります。その結果、相続人同士の対立や遺留分侵害額請求などのトラブルにつながる可能性があります。
遺留分トラブル
遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された最低限の相続分のことです。遺言書があっても、遺留分は完全に無視することはできません。例えば「全財産を長男に相続させる」という遺言があった場合でも、配偶者や子、直系尊属には遺留分が認められています。そのため、他の相続人は遺留分侵害額請求を行うことができます。この請求がきっかけで相続トラブルになることがあります。
遺言書の形式不備
特に多いのが自筆証書遺言の不備です。自筆証書遺言には厳格なルールがあり、「全文を自筆で書く、日付を書く、署名する、押印する」必要があります。これらの要件が欠けていると遺言書が無効になる可能性があります。無効になると、通常の遺産分割協議が必要になり、相続人同士の争いになることがあります。
遺言書の内容が曖昧
例えば、「家は長男に任せる」という遺言をしたとして、この場合、所有権なのか、管理だけなのかが不明確です。このような曖昧な表現は、相続人の解釈の違いによる争いを生みます。
遺言書の存在を知らなかった
相続開始後に突然遺言書が見つかるケースもあります。例えば、遺産分割協議が終わった後から遺言書が見つかる。このような場合、遺産分割のやり直しや相続人間のトラブルになることがあります。
遺言書トラブルを防ぐ方法
遺言書でトラブルを防ぐためには、次のポイントが重要です。
公正証書遺言を利用する
最もトラブルが少ない遺言書は公正証書遺言です。公証人が作成するため、形式不備がありませんし内容が明確です。また、原本が保管されるというメリットがあります。
遺留分を考慮する
遺言書を作成する際には遺留分を考慮することが重要です。完全に無視した遺言は、相続争いの原因になります(関連記事:遺留分侵害額請求)
理由を書いておく
なぜそのような相続分にしたのかを説明しておくことで、相続人の理解を得やすくなります。例えば、生前に援助をしていた、同居して介護していたなどです。
遺言執行者を指定する
遺言書には、遺言執行者を指定しておくと、相続手続きがスムーズになります。遺言執行者は、相続手続きや財産分配を行う役割を持ちます。司法書士を指定するケースも多くあります。
遺言書作成は司法書士に相談を
遺言書は、正しく作成しなければ無効になったり相続トラブルの原因になる可能性があります。司法書士に相談することで相続関係の整理や遺言内容のアドバイス、公正証書遺言作成サポートを受けることができます。また、将来の相続トラブルを防ぐためのアドバイスも可能です(関連記事:遺言書の検認とは?)。
まとめ
遺言書があっても、不公平な内容であったり遺留分問題、形式不備、曖昧な内容、相続人の感情対立のためトラブルに発展する可能性があります。そのため、遺言書を作成する際は、法律に沿った形式、相続人への配慮、専門家の確認が重要になります。相続トラブルを防ぐためにも、遺言書の作成は司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。



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