相続人が行方不明|足利市、佐野市の司法書士事務所
- 亀山英明

- 4月18日
- 読了時間: 4分
相続手続きを進める際、相続人の中に行方不明の人がいる、連絡が取れない人がいるというケースは少なくありません。例えば、兄弟と何十年も連絡を取っていなかったり、相続人の住所が分からない、海外に行ったまま所在不明、家族と絶縁している相続人がいるなどが考えられます。しかし、相続手続きでは相続人全員の関与が必要です。そのため、行方不明の相続人がいると、遺産分割協議ができず相続手続きが止まってしまいます。
この記事では、相続人が行方不明・連絡が取れない場合の相続手続きの進め方について詳しく解説します。
相続人が行方不明だと相続手続きはどうなる?
相続では、被相続人(亡くなった方)の財産は一度相続人全員の共有状態になります。そのため、遺産を分けるためには相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。つまり、相続人が1人でも欠けている場合には遺産分割協議が成立しない、相続登記ができない、銀行口座が解約できないということになり、相続手続きが進まなくなる可能性があります(関連記事:相続人が音信不通の場合)
まずは相続人の住所を調査する
相続人と連絡が取れない場合でも、まずは住所を調査することが重要です。主に、住民票や戸籍の附票から、現住所や過去の住所などの履歴を確認することができます。
親族への確認
親族や知人を通じて、現在の連絡先が分かることもあります。
どうしても連絡が取れない場合の3つの方法
調査しても所在が分からない場合は、次の方法で相続手続きを進めることができます。
不在者財産管理人の選任
失踪宣告
遺産分割調停
順番に詳しく解説します。
不在者財産管理人の選任
行方不明の相続人がいる場合、最も一般的に利用される制度が、不在者財産管理人の選任です。これは家庭裁判所が、行方不明者の代わりに財産を管理する人を選任する制度です。
不在者財産管理人とは
不在者財産管理人とは、行方不明の人の代わりに財産を管理する人のことです。家庭裁判所が選任します。通常は弁護士や司法書士、親族などが選任されます。
手続きの流れ
不在者財産管理人の選任手続きは次の流れで進みます。
家庭裁判所に申立て
不在者財産管理人の選任
遺産分割協議の許可申立て
遺産分割協議の成立
つまり、行方不明者の代わりに管理人が遺産分割協議に参加するという形になります。
必要書類
主な必要書類としては、申立書や戸籍謄本、不在者の戸籍附票、財産資料、収入印紙などが必要となり、家庭裁判所によって異なります。
失踪宣告という方法
行方不明の期間が長い場合は、失踪宣告という方法もあります。失踪宣告とは、行方不明者を法律上死亡したものとみなす制度で、家庭裁判所が判断します。
要件
通常の失踪宣告は、7年以上生死不明が条件になります。また、失踪宣告の効果として、失踪宣告が認められると、その人は死亡したものとして扱われます。つまり、相続人から外れ、その人の相続人が代わりに相続するという扱いになります。
遺産分割調停を利用する方法
相続人と連絡が取れない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停を行うこともできます。裁判所が間に入ることで、遺産分割を進めることができます。ただし、相続人の所在が分からない場合は、公示送達や不在者財産管理人などの手続きが必要になることがあります。
相続登記はどうなる?
相続人が行方不明の場合でも、次の方法で相続登記を進めることが可能です。
不在者財産管理人を選任
遺産分割協議
相続登記申請
または、法定相続分で相続登記をすることも可能です。ただし、この場合は共有状態になるため、後の処分が難しくなることがあります。
相続人が行方不明の場合の注意点
相続人が行方不明の場合だとしても勝手に遺産を分けることはできません。また、遺産分割協議書は無効になる可能性もあります。行方不明の相続人を除外して作成すると、協議自体が無効になる可能性があります。
相続登記の義務化
現在は相続登記が義務化されており、3年以内に登記をしないと過料の可能性がありますそのため、早めに手続きを進めることが重要です。
相続人が行方不明の場合は司法書士へ相談を
相続人が行方不明の場合であっても、相続人調査や戸籍収集、不在者財産管理人申立て、相続登記が必要となることがあります。これらは専門知識が必要になるため、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。司法書士に依頼すると相続人調査、戸籍収集、相続手続き、不動産の相続登記までまとめてサポートすることが可能です(関連記事:相続人の署名がもらえない場合)
まとめ
相続人が行方不明・連絡が取れない場合でも、相続手続きを進める方法はあります。主な方法としては、不在者財産管理人の選任や失踪宣告、遺産分割調停など。行方不明の相続人がいる場合でも、適切な手続きを取れば相続手続きを進めることが可能です。手続きが複雑になることも多いため、早めにご相談ください。



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