
遺言書の作成
「遺言書はお金持ちだけのもの」「まだ元気だから必要ない」と思っていませんか。実は、遺言書は相続トラブルを未然に防ぎ、家族の負担を大きく減らす最も有効な手段です。
遺言書とは何か
遺言書とは、本人が亡くなった後に財産をどのように分けるか、誰に何を相続させるかを記した最終意思表示の書面です。法律に従って作成された遺言書は、遺産分割協議よりも優先され、相続手続きの重要な指針となります。
遺言書があることで、財産の分け方を明確にできますし、相続手続きがスムーズに進む、特定の人や団体に財産を残せるといった、相続人同士の争いを防ぐ効果があります。
遺言書の種類と特徴
日本の 法律で認められている主な遺言書のうち、一般的によく利用される遺言書は次の2種類です。
自筆証書遺言
本人が全文・日付・氏名を自書し、押印して作成する遺言書です。メリットとして、費用がほとんどかからない、自宅で簡単に作成できるという点が挙げられますが、デメリットとして、書き方を間違えると無効になる、紛失・改ざん・隠匿のリスクがある、原則として家庭裁判所の検認が必要といったことがあります。法務局の自筆証書遺言保管制度を利用することで、紛失や無効のリスクを大きく減らすことができます。
公正証書遺言
公証役場で公証人が作成する遺言書です。証人2名の立会いのもと、本人の意思を正確に文書化します。メリットは、法律的に最も安全・確実、無効になる可能性が極めて低い、検認が不要ですぐに相続手続きが可能、原本が公証役場に保管されるといったことろでしょうか。また、デメリットとして費用がかかる、公証役場へ出向く必要があるという点があります。
遺言書に記載できる内容
遺言書では、次のような事項を定めることができます(関連記事:遺言書の記載事項)。法律に反しない範囲で、幅広い意思表示が可能です。
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相続分の指定
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特定の財産の承継先
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遺産分割方法の指定
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遺言執行者の指定
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認知、後見人の指定
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寄附の指定
遺言書作成の具体的な流れ
まずは、預貯金・不動産・有価証券などの財産一覧と、相続人の関係を整理します。そして、誰に、何を、どの割合で相続させるかを具体的に決めます。その後、遺言書の文案を作成(法律用語や形式に注意しながら、正確な文案を作成します)し、適切な方式で作成・保管します。公正証書遺言を選択する場合は、公証役場で正式に作成します。自筆証書遺言の場合は、法務局保管制度の利用がおすすめです。
まとめ|遺言書は家族を守る最良の相続対策
遺言書は、残される家族のための「最後の思いやり」です。正しい方法で作成することで、相続トラブルを防ぎ、円 満な相続を実現できます。将来に備え、早めに専門家へ相談し、確実な遺言書を準備しておきましょう。